在宅療養支援クリニック かえでの風
院長 川崎泰史
先日、担当患者さんが100歳の誕生日を迎えた。その方は誕生日を迎える前には「歳をとると腰が痛くなったりとあちこちガタがきて大変。それなのに家族やデイサービスの職員はあまり年寄り扱い(優しく?)してくれない」と言っていた。
しかし、誕生日後に定期訪問した際には笑顔で「100歳になった。デイサービスでは100歳の誕生日会を開いてくれた。家族も祝ってくれた。総理大臣や知事から祝いの品をもらった」と何度も繰り返し話してくれた。その姿はいつもよりお元気そうに見え、とても嬉しそうだった。
厚生労働省の発表によると今年度で100歳になる方は4万人ちょっといるそうだ。しかし、自分の担当患者さんには100歳を超える方はそうはいない。その方がここ数年入院することなく、無事にご自宅で100歳になられた瞬間に、自分が主治医であったことは素直に嬉しいと感じた。足腰や心臓が悪く、定期通院が難しいため訪問診療をしている方であり、いつ体調を崩すか予測できないが、その日が1日でも先延ばしにできるように支援したいと考えている。